講演
 
「JAYCEE運動と情報化。その求められる姿とは」
 

講師:1996年度(社)日本青年会議所近畿地区協議会会長 菊岡 泰政 氏


 
遠い昔のことですが..−私とパソコンと青年会議所−

 私とコンピュータとの出会いは、薬剤師を目指していた薬科大学3年の物理化学という授業で触れたのがきっかけでした。フォートランやベーシックというコンピュータ言語は難解でしたが、「頭の思考システムを整理する」のには向いていたかなと思います。その後は趣味程度に続けていくことになります。

この頃コンピュータに巡り会った人々の中には、後にこの世界で活躍されている方も多いようです。実際にこの頃のコンピュータを使いこなすにはコンピュータ言語を自由に操らなくてはならないという大きな壁がありました。そしてそこまでに至った人々の生存確率は「ほんの消費税程度」であったように思います(笑)。かくいう私もベーシックで落後した一人でした。

 そうこうしながら、86〜7年に日本電気の9801MかVMを購入したのですが、この時にはカルチャーショックを受けました。それまでのパソコンと基本的に利用できる環境が随分と違って大きく広がっていたからです。
中には当時まだ無料だったPC−VANの利用説明書がついていました。もちろんまだ日本語入力なんて高級なものは世の中にない時代で、MSDOSのターミナルモードから半角英数文字で入力しました。通信機材というと受話器を「がばっ」と取り付ける音響カプラが全盛の頃で、当時画期的製品であった300BPSのモデムを購入し、これまたその便利さにカルチャーショックを受けていました。
たった10年弱のことですが、今からでは考えられないくらい劣悪な環境でパソコン通信と格闘していたということですね。まさに隔世の感があります。


 さて私自身は、「まちづくりをしたい」という思いを胸に青年会議所の門を叩いた人間であります。せっかく時間とお金を使ってJCに入っているのだから、まちづくり運動をやらなければもったいないと常々思っています。しかしながら現実にはそれもなかなか難しいというのが、残念ながら衆目の一致するところでしょう。

 入会以来、明けても暮れても頭数要員で事業に駆り出されていた私だったのですが、「これを使ったら出向しなくても全国のJCメンバーと話が出来る」と思ったのが、パソコン通信にはまっていくきっかけとなりました。JCの事業に駆り出されるたびに、自治会活動にもPTAにもなかなか思うように時間がとれなかった私にとって、全国のいろいろなJCメンバーと触れ合うきっかけづくりをしてくれる(かも知れない)パソコン通信は、大変可能性の大きなものに感じました。
時を同じくして、関青年会議所の渡辺先輩が開設されたJCNETのことを知り、「これや!」とその中に飛び込んで行くことになります。

 JCNETが88年7月に立ち上がって、その年の全国大会で私が入会申込をすることになります。その年の全国大会で「JCNETの紹介をしている」という話だけを聞いて、展示ブースに勇んで立ち寄ったものの、たまたまその時にはJCNETが判る方がどなたもいらっしゃいませんでした。私はその頃、PCVANのIDも持っていましたので、とりあえずそこにいらっしゃる方に「入会したいのでご連絡下さい」と名刺を置いてきました。すると嬉しいことに1週間も経たない内に渡辺先輩からメールを頂戴しまして「JCの中にもちゃんとメールをくれる人がいるんだな」と感心をしたものでした(笑)。



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