これぞペーパーレス会議の神髄だ!

 次の段階として求めたのは、もっと効率化された青年会議所の運動論を拡大したいというものです。私たちはそれをまず日本JCの役員に求めました。
当時フロアメンバーであった私などが、例えば100人の人々に「このようにしてこうするともっと便利ですよ」と説くよりも、日本JCの会頭や副会頭が「こう使ったら便利だったから使いなさい!」と一度言ってくれただけで、インフラは急激に進むのです。

日本JCでは、ペーパーレス会議をするためだけにパソコンを購入された方がほとんどなのですが、結果的には会議のために使い、国際関係の方々などは近年のインターネットを含めて、調査・連絡や交流などに結構ネットワークを活用されるようになりました。また通常の日本JCの委員会にも、LOM間の連絡交流にも、ネットワークを頻繁に利用される兆しが出てきたのです。

このようにインフラというのは、要(かなめ)になる人がまずパソコンを持っていることが大前提です。使える使えないは別にしても、とにかく持っているというのが先決です。先ほどもお話ししましたが、当時の会頭・専務の一言で無理矢理に持たされた方々は、最初の内は苦労も多く大変だったでしょうが、結果的に大きなメリットを感じておられるに違いありません。


 またこのようなご時世ですから、3ヶ月も経てばその時に新製品のパソコンを購入しても、すぐに古くなってしまいます。無理矢理にパソコンを買わされた方々が、3ヶ月後にいったいどんな反応をするのかということは、正直かなり不安でした。
私が買わせた訳ではないのですが(笑)、それをなだめたりすかしたりしながら、たまにはゲームソフトを教えたり、綺麗な(?)写真を差し上げたりしながら、いわば「飴と鞭」を交互に繰り返すようにしてご理解を頂いたというのが現状です。

 ペーパーレス会議の効用を具体的に事例としてお話ししておきましょう。

 現在日本JCでは、100件にも及ぶ議案を約6時間程かけて会議をしています。
単純計算するとひとつの議案に要する時間は僅か3分強ということになります。もしも事前に資料が手元にわたっていないとすると、このように短い時間では会議とは名ばかりの「単なる説明会」に終わってしまいます。せっかく全国から集まってきた人たちが「よしこれでいこう!」とか「いやここはこうしたほうがいい」とかいうように、本当の意味で「良い事業をするための会議」を行おうとするには、より多くの協議時間を確保しなければならないのです。協議時間を増やすために、議案説明時間を減らす。このためには事前に良く議案を理解をして会議に臨んで頂かなければならず、資料の事前配布が不可欠となるのです。

理事会・評議員会には全国200名近い方々がご参加されます。この方々に事前に資料を配付することになれば、総務委員会事務局というのはそれこそ、莫大な負担を強いられてしまいます。だいたい一回の会議に月刊少年マガジン一冊くらい(笑)の議案資料を、机の周りを何度も何度も回わりながら仕上げて、封をし宅急便のラベルを貼ってそれぞれに発送します。
ここまでに必要となる労力を考えると、いかにもぞっとする気分になります。それをネットワークで一元化し、電子メールで送付するようにすると、なんと一人でもできてしまうようになりますし、あえてJC会館でやらなくても自宅で作業ができることとなります。人件費・印刷費・発送費・交通費等の全てについて比較にならないほど計り知れない効率化・省力化が可能となるのです。



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