社団法人 姫路青年会議所
1999年度 理事長所信



とことん!Do it!
〜内なる充実!本物を求め行動し、果決する時〜

<はじめに>
 「Kids」というボランティアグループがあります。彼らはハンデをもった子ども達をディズニーランドに連れていこうとする活動をしているグループです。私達には簡単なことと思うのですが、ハンデをもった子ども達が飛行機に乗るには乗員数の制限があることをご存じでしたか?彼らはそういった様々な障害をクリアしながら自らが行動し活動をしています。
 「Kids」という名前の由来は子どもたちという意味もありますが、「Knowing Is Doing Something」すなわち「知ることは何かをすること」いわゆる「行動をして初めて本当の意味を理解できる」という精神にあるのだそうです。今、私達が求められている精神にとても近いと思い、この話を聞いたとき深く心に刻み込みました。
 「おっちゃん。来年もしてよ。僕また来るさかい。約束やで!」事業に参加してくれた少年 たちが、別れ際に言ってくれた言葉です。忘れられない一瞬でした。とてもピュアな感動と何 よりの褒美でした。行動して初めて本当の意味を理解できた瞬間でもありました。

<LOM運営基本方針>
 まちづくりの原点は、そのまちに住む市民の意識の向上と郷土愛の醸成です。そして、 JCの最終的な目的の1つは、自らが社会開発の実践の場を通じて、個人を開発することです。
 それには私たち(社)姫路青年会議所が、クリエイティブで活力ある組織であり続けることが 必須の条件です。
 人を中心に据えたモノ・金・情報の全てがバランス良く循環することにより、まちに一層の 活力が生まれます。まちづくりはまちの活性化です。本物を求め行動し、活気のあるまち姫路 を創りたいと思います。

■組織は人なり、人は宝なり 
 毎年、委員長にとって委員会の出席者数は大変興味のある事ではないでしょうか?
 事業の進捗状況を睨みながら、どうすれば一人でも多くの委員に参加して貰えるかあの手この手で参画を呼びかけていると思います。
 JCの組織において全ての源は委員会です。委員会の円滑な運営に重点を置き個人の活動を 活性化することが最も重要です。その為にも事業数を減らすことや開催時期の分散にも取り組 み、時代状況にも合わせた創意工夫も大胆にする必要があります。
 また、私が入会した当時、とても怖い先輩がたくさんいらっしゃいました。威厳があって的 確で、何でも知っていて後輩の面倒見も良く何でも相談出来る人達でした。単年度制の中では 伝えにくい情報がたくさんあります。その弱点を補うことが出来るのは組織を構成する人間関 係です。私達は数多くの経験や知恵を後輩に伝える義務があり、地域社会や企業、家庭におい ても自分の役割を力の限り全うし、頼られる人財にならねばなりません。

■自己検証、そして、果決する時
 「果決をする」という言葉があります。これは、良い果物を作るためには10個中9個を間引くことも辞さないというたとえです。私たちは全てにおいて今、本物を見極め行動をする時です。その為にも自己検証をして果決をする時なのです。そして、捨てる決断と同時に選択したものに力を注ぎ、大きく本物に育て上げようではありませんか。それは、事業を通じ経験に裏打ちされた人財が育つことや、社会の評価を得られることで達成されます。

<当該年度事業の次年度における展開>
■より本物を求めて
 (社)姫路青年会議所の培ってきた行動結果と今後あるべき姿を社会に向かって提言書に著した事で、一層社会の眼はJC運動に期待を持ち、その責任を厳しく見つめるようになりました。私達は、きちんと自分達の言動と過去に責任をもって著した提言等を履行していくべきであると考えます。
 ’97年度からは運動の位置付けが明確な事業においては目的を達成するまで続ける「継続は力なり」という方針が打ち出されました。これにより単年度の弊害と運動が蛇行する事を戒め、相当の成果を手にしたと思います。次年度は、更に社会的評価に堪える事業を目指します。

■故郷としての姫路
 こんな経験はありませんか?
 数カ月ぶりにバイパスを走りながら姫路城が見えた時、ああ帰ってきたと安心したことが あります。故郷は遠きにありて想うものという詩の一節があります。そんな郷愁はその土地の風土や行政スタイルではなく、そこに住む家族や人々との思い出にあるのだと思います。そんな誇りに思う故郷を広く知ってもらいたい、大きな夢としての全国大会誘致を見つめることで、本物としてより鮮明になるはずです。それは今後のまちづくりに対する合意形成や経済的な波及効果においても、まちを活性化させる起爆剤となるはずです。

<重点事業>
1、まちづくりに関する事業
2、人づくりに関する事業
3、地球環境意識啓蒙に関する事業
4、国際化・国際協力、貢献に関する事業

1、まちづくりに関する事業
■まちづくり最強集団を目指して
 阪神淡路大震災時、再認識した個と個のネットワークの重要さ。これを形につなげて いこうとしたのが「あつまろうや!姫路」でした。また、昨年度の「HIME〜JI UP’97」はいずれも大いに郷土姫路をアピールした意義ある事業となりました。 私達は責任をもって、検証を怠らず、果決し、期待した成果を生むまで継続し、発展さ せることに力を注ぐべきです。また、視点を変えて互いの街の長所を活用し、情報化と いうツールで短所を補うことにより、お互いさまのまちづくりの一端を見い出せます。
 JCには機動力、企画力、組織力、そして溢れる若い心意気があります。私達は個々 の善意や知恵を紡ぎあわせ大きなうねりにできる数少ない組織です。
 積極的、広域的な街づくりの先頭を走りながら、様々な市民活動を実践されている個 人や団体とより深いパートナーシップで結ばれ、お互いを理解しながらサポートする存 在であり続けたいと願います。

2、人づくりに関する事業
■「メリはり」のあるトレーニング
 メンバー各位のポテンシャルは相当なものだと感じる事が多々あるはずです。JCで 活動していく中で身に付く経験や智恵を習得できるJCならではの実践的なメリットと はりあいのある(メリはり)トレーニングを積み重ねたいと思います。
 また、JCの基礎的なトレーニング等は(社)日本青年会議所や他LOMとの共同開 催なども考え人的資源の活用、数に対する合理性の向上を今まで以上に進めたいと思います。そんな人的交流が友情を育み、次代の人づくりにおいても必ず実を結ぶと考えます。

■大好きな子どもたちに
 95年よりの「姫路子ども議会」も5回目を迎える継続事業として青少年育成に一定の成果を確立しつつあります。近年は卒業生が子ども参議院にも選ばれるなど着々と成 果が顕れています。しかし、傲ることなく今年は検証の年と位置付け、次の5年を視野 に入れ、本来の目的や効果を再点検する時です。子ども達が社会の中心となる10年単 位での構想を練り、次の5年への展望に対する責任を果たしていきたいと考えます。
 私たちは、親として子ども達に何を残そうとしているのでしょうか?

3、地球環境意識啓蒙に関する事業
■Think& Do「グローカル」!
 「グローカル」とは地球的規模(グローバル)で考え、地域(ローカル)で行動すると言う造語ですが、私達が環境問題を考える姿勢において正に的を得る言葉です 。
そして「姫路の環境問題はこれだ!」という着実な運動の展開を図りたいと思います。
そんな中で他組織・他LOMとの合意形成に取り組み、連携や共同事業の開催等を含め、継続可能で広範な運動を追求していきたいと考えます。
 また、学校等の教育現場において通常の教育プログラムへの定着を図り、家庭や子ども達にも環境意識の普及に重点をおきたいと考えます。

4、国際化・国際貢献に関する事業
■日常生活の一部として
 世界中で海外旅行をする比率が高い国民は日本人だという記事を読んだことがあります。裕福になり生活の一部として観光やビジネスをはじめ色々な目的で日常的に海外へ出かけることが多くなったということなのでしょう。つまり外国を知る経験者が確実に 増えたのです。
 そして、姫路JCでもホーコンJCと交流を持ち、海外の仲間と国際貢献等の事業開 催を通してJC運動の本質的な価値観を共有しています。つまり国際化とは、多くの価 値観や世界の実状を知り友情を育むということです。
 その原点には日本の伝統文化風習や価値観を踏まえ、日本人としてのアイデンテティーの再確認が必要なのです。より一層、私達の日常生活で、そんな意識に根ざした国際化を目指したいと考えます。
 JC単独でなくても他組織や個人との連携強化・拡大により実のある国際の事業が展開できたら日本人として誇らしく素晴らしいことだと考えます。

<おわりに>
 結果を追い求めるだけでなく、その過程に比重を置き運動展開したいと思います。
こだわりを持ち、斜にかまえず真っ正面から本気で取り組み何かを感じ取って下さい。
みんなで本物の感動と納得できるJC運動を実行しましょう。
仲間同士や委員会で「何のために」を徹底的に議論し、お互いを認め、高め合いましょう。
そんな経験が40才を迎え、卒業してからも確かにそこにいた自分と仲間の心で懐かしく、そして暖かく照らされ続けると信じています。


楽しくなければ、JCじゃない。
あなたが主役、みんなが主役。
とことん!とことん!

 会員諸兄に全幅の信頼と期待を込め、心よりの御支援と御参画をお願い申しあげます。
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