2000年度を顧みて

社団法人 姫路青年会議所

第44代理事長 岡田 和也

 

楽することなく楽しもう「はれ」を感じるまちづくり

大好きな姫路(まち)を大好きな人と

 

2000年それはパソコンインターネット(電子メールを含む)からそしてインターネット携帯電話(携帯メールを含む)の爆発的躍進へとより新たな情報通信が身近なものへと移っていった年であったと感じています。インターネット携帯電話はメールとかインターネットという新しいツールを本当に身近に使えるツールとして感じさせ、そして「よし、使おう」とさせたものだったのでしょう。それはなぜでしょう。身近さは興味をわかせ、実感としての楽しさを人々が享受していったからではないでしょうか。そうです。「楽しむ」ことは大切なことなのです。その中から新たな「好きさ」「大好きさ」が生まれます。まちづくりはとかく、むつかしく、とっつきにくいものと感じさせます。むつかしい理論やエキスパートによる専門部屋の事としがちです。でも一番大事なことは身近にみんなが興味を持って、楽しさを実感していくことからまちづくりは進んでいきます。そしてそのなかでそれぞれの「はれ」を実感していくことです。そしてその「楽しさ」と「はれ」は単に物質的なものさしで計れるものではなく人と人との関係の中で実感していくものなのです。だからこそ青年会議所はまちづくりとひとづくりを両輪としています。青年会議所が目指す「明るく豊かな社会」の実現には「ひと」が大事なのです。そして本来、ネットワークは組織と組織が結び合いその中から人と人とがネットワークを組むものではなく、人と人が結び合いそして組織と組織が結び合う中からネットワークが進むものなのです。本来のネットワークが進みその実感を感じていくとき、単なる個人主義の自分さえよければではなく、みんなのこと、公(おおやけ)の意識が生まれます。それぞれの人が個性を出し合う中で、そしてそれぞれの思いの実現にむかって楽しむなかで、彼のために、あの人のために、みんなのためにという人を思うことの大事さがあります。人と人が集まるなかではいつの世もリーダーは必要です。長のいう名でその人を呼んだり、代表という名で呼んだり、先生という名で呼んだり、幹事という名で呼んだり、呼び方はさまざまですが、このリーダーが果たす役割の大事な部分としてみんなのこと、公(おおやけ)があります。青年会議所はマネージャーを育てる団体ではなくリーダーを育てる団体である時、このことは大変重要なことと位置付けられます。

 2000年(社)姫路青年会議所はまちに興味をもち、まちを愛し、思いをもって楽しんでがんばっている「まちづくりびとたち」をたたえ、やりがいを実感しそのがんばりをみんなで感じて、あらたなやりがいとがんばりを生み出す場として「あ!WA(わ)ずGARDEN(ガーデン)2000」を開催しました。そしてその中で「はりまNPO・ボランティア大賞(アワード)2000〜頑張っている人にエールをおくろう〜」を開催しました。人が出会い、そしてそのがんばりを実感し、新たながんばりを生み出す循環、こんなやり方があるんだ、この人と話したら一緒にこんなことができそうだという循環、わたしも参加してみようという循環、ご参加、ご来場いただいたすべての皆さんとの「まちを楽しむ」循環が生み出されました。だからこそ姫路青年会議所はすべての委員会、すべてのメンバーが関わる事業として位置付け、メンバーみなさんにご尽力をいただきました。そしてあWAずガーデン2000実行委員会運営事務局としてさまざまなみなさんとともにこの事業をつくりあげてきたのです。各事業系委員会のみなさんも当日に合わせてすばらしい事業を開催いただきました。また事業系以外の委員会の皆様も本当にそれぞれの持ち場でご尽力いただきました。事業当日、駐車場整理として日焼けして顔を真っ赤にして「もうあかん」といいながら最後の最後までがんばってくれた彼と最後に硬い握手をかわした時、本当にこの事業を開催してよかったと実感をしました。

メンバーおひとりおひとりの、みんなの「はれ」と出会えて本当によかった。

 人・物・金・情報の循環を目指した本年のすべての事業の中でやはり今後の問題として書き残すべきものとして「お金の循環」の問題があります。まちを思い、まちを愛し、がんばるみんなにとってそしてその循環の場をつくっていくことにおいてはこの「お金の循環」の問題は重要な問題です。本年もその資金づくりに関しては多くのみなさんに大変ご尽力とともにご支援をいただきました。と同時に継続的にお金を循環させていく「しくみ」の必要性をあらためて感じました。そしてそのお金の循環の「しくみ」を考えていくときに大事なことが説明責任であり、また情報の循環です。ただ年に一度その時だけの情報発信ではなく継続的なお金の源のなるみなさんへの情報発信と、こまやかな対応が必要です。欧米で実施されているようなNPO団体自身それぞれがより高度なプレゼンテーション能力をもった姿を今、訴えているのではありません。もっと単純に負担のかからない方法からでも実施していくことが必要なのだと考えます。法制度における寄付税制が議論されているなかですが、実際にはこういったNPO団体自身そしてその循環をめざす「しくみ」を考える人たちにとっては自分達自身の情報発信ができているのかが大変重要になってきますし、その行為自身を自分達の活動やそのしくみの一部として吸収しておく必要があると考えます。

 (社)姫路青年会議所は(社)日本青年会議所が主催する全国会員大会を招致すべく昨年決議し、それに向かっての活動を開始しました。その活動の中で兵庫ブロック内の26の青年会議所のみなさんからご承認をいただいた事をあらためて感謝するとともに、今後もその課程においてひとりよがりになることなくみんなと一緒に考え行動していく事の大事さを考えていただきたいと思います。わたしたちは全国会員大会をめざしていく過程で自分達の愛する姫路のまちをもっと魅力的で大好きなまちとしていく運動であると考え、その実行が今年始まりました。この大好きなまち姫路の未来、まちづくりに、責任ある確かな手応えを感じながら活動を行なっていく、青年会議所運動に与えられた使命の大きさを改めて痛感するとともに断固たる決意を新たにするものであります。


 最後に、この1年間様々なご協力をいただきました多くの関係諸団体や全メンバー諸兄、そしてお支えをいただいた先輩諸兄、多くの皆様に心から感謝を申し上げたいと存じます。

 2001年は大西雅之理事長が夢を抱き「はつらつと明るく!」を合い言葉に、大好きな姫路のまちをもっと魅力あるまちとしていく運動を更に展開して参ります。今までにも増してのご支援ご協力を賜わりますようお願い申し上げ、1年間を振り返ってのご挨拶と致します。