6月例会 理事長挨拶

 

6月22日 ホテル・サンガーデン

 

   美しい城 美しいひと 美しいとき 「播種の国 姫路」にて

 

 みなさん、こんばんは。いよいよ6月となり、各委員会とも事業という名の大空へと次々と飛び立っていっています。4月の例会から今日までの事業を振り返ってみたいと思います。

 まず国際会議ですが、ASPAC仙台大会が5月に開催されました。招致開始から17年という時間と思いとを積み重ねて開催されたこの大会、「HAPINESS 仙台」のテーマどおり、しあわせの意味を一人ひとりに問いかけるすてきな大会でした。

 

 いっぽうLOM事業としては、新入会員の研修・褒賞エントリー・例会やシニア交流ゴルフコンペを通じたまちづくりサロンの創造・ごきげんナイトウォークをはじめとする情報交流・紙芝居上演を皮切りとした地域文化とコミュニティ創造・こころの教育研修会・エコアクション21の連続勉強会、そして4月21日のリベンジをめざす自転車事業が7月に予定されています。

 

 そして6月に入ってから、対外的な市民参加事業が2つ開催されました。

 ひとつは、6月2日の「姫路ワンワールド・ウォークラリー」です。約300人の市民の参加と12のチェックポイントでの姫路に住む外国人のボランティア参加を得て、ワンワールドなまち・姫路をつくっていく上でウォークラリーという手法が効果的な方法であることが確認できました。

 

 そして8・9日と2日間開催された「はりまNPO・ボランティアアワード2002」と「あ!WAず GARDEN2002」。

 NPO・ボランティア団体に晴れの場と交流の場づくりを、そしてひと・情報・お金・もの・サービスの循環を、善意の循環をめざしておこなったアワード事業を中心に、第2回ダンボールアート・コンテスト、自転車事業、新エネ事業、紙芝居上演などさまざまなファンクションをまじえて開催し、予想していた成果を収めることができました。もちろん、実行委員会の組織のあり方、全体事業としての位置づけなど残された課題も多々ありましたが、それらはかならずや次年度以降にクリアすべきハードルとして前向きに受け継がれていくものです。

 

 わたしが驚いたのは、8日の初日、これだけの規模の事業がさりげなく、自然体に始まり、そして市民が次々と集まってこられたことでした。これは94年のまちづくり倶楽部・コンパス21の市民会議設立、95年・96年のはりまサマーコンファレンス、同じく96年からのあつまろうや! 姫路、98年のシムキャスティ、99年の姫路地球王国、そして2000年のあ!WAず GARDEN2000、2001年のアワードとダンボールアート・コンテストといった震災の前後から市民参加とネットワークづくりを目的に開いてきた数々の事業のひとつの到達点に、ホップ・ステップ・ジャンプで言えば、ホップの段階に達したかの感慨をもちました。

 また2005年の全国大会をステップに、その先のジャンプへと確実につながっていく予感をもちました。

 

 ここで2005年の開催を目指してすすめている全国会員大会主管の招致活動に話しを移したいと思います。

 冒頭の「美しい城 美しいひと 美しいとき 「播種の国 姫路」にて」の最初の3行は、87年度第31代理事長の東海健生先輩がつくられたコピーです。当時策定された『薔薇色の戦略』のなかに全国大会を開催できる青年会議所に、まちになろうというシナリオが描かれていました。

 

 招致理念のこのキャッチコピー、そして全国会員大会の主管という夢は、そのときから数えてすでに15年の諸先輩方の夢と思いの継続であり、私たち後輩に託され続けた夢であることをまずお知らせしておきたいと思います。

 

 さて、今週月曜日より、訪中ミッションで北京に、続けて姉妹JCであるホーコンJCとの交流でマカオに行って来ました。

 マカオでは、「ポウサダ・デ・サンティアゴ」というかねてから泊まってみたかったホテルに滞在しました。このホテルは、昔マカオを占領したポルトガルが、その南の砦として築いた城塞をそのまま利用した由緒あるホテルです。

 部屋に入ると、歴史を感じさせる調度品とともに、ダイヤル式の電話が置いてありました。さっそく家族に国際電話をかけながら、昔幼かったころ、電話のダイヤルをひとつひとつ指で回しながら、どきどきして電話の向こうの側の人に想いを馳せながら電話をかけた感覚がよみがえり、懐かしい思いがしました。

 その翌日、ホテルのカフェで朝食を取りました。いっしょに泊まっていた岩崎委員長から、マレー半島のマラッカにもこのホテルと同じ名前のホテルがあるんですよ、という話を聞きました。はるか4〜500年前の大航海時代と帝国主義の時代に思いをはせながら、ゆったりとしたひとときを過ごしました。

 バイキング形式の朝食を取るビジネスライクなホテルでの滞在を「ファーストなステイ」と呼ぶとすれば、まさに「スローなステイ」を送ることができました。

 

 この「スロー」という言葉が、今回の全国大会の招致理念の鍵となるコンセプトになっています。スローな大会、スローな価値観、スローライフ。これはこれまでグランドデザインや所信、例会での挨拶、またJC NEWSの挨拶文などで言い続けてきた、循環のまち、人・情報・金・もの・サービスの循環、あるいは、つながり・ささえあい、たすけあい、ほんとうに大切なこと……こういった言葉をひとことで言い表す包括的な言葉として使っています。

 

 ファーストフードとスローフード、ファーストビジネスとスロービジネス、ファーストボディにスローボディ、ファーストラブにスローラブ……。

 本来スローであるべき親子や夫婦、家族関係や近所づきあいなど地域コミュニティ、子どもの教育などに、時間やお金のものさしによるファーストな価値観がのさばってきています。それがいまの社会の様々な問題の原因ではないでしょうか。

 

 「ファースト&ファースト」から「ファースト&スロー」へ

 

 いまのファースト一辺倒の社会をスローな社会へと価値観の舵を切ろうとするのが、姫路でおこなわれる全国大会です。

  美しい城のある、美しいひとのいる、美しいときが流れる、始まりのまち・姫路。

 そんなまち姫路で開かれるスロー全国大会。諸先輩方の思い描いた夢を引き継ぎ、それにむけて思いを一つに、取り組んでいきましょう。

 

 全国大会については、まだみなさんの中にいろんな意見があるかと思います。しかし山はもう動き始めています。そうであるならば、こういう大きな課題に前向きに取り組むか、後ろ向きになって逃げるのか、どちらかです。前向きに自分のこととして、ビッグチャンスとして自分をさらに伸ばす機会として生かすのか、後ろ向きにいたずらに時をすごすのか。この「心の態度」のあり方こそ、青年会議所活動で迫られる最大の修練であり、同時に青年会議所で得られる最大の成果だと言えます。

 

 まずは、7月5日の全国大会運営会議の現地調査団の受け入れをメンバー全員でもてなしたいと思います。

 そして9月26日、旭川での全国大会主管決定に向けて、ともに歩みを進めていきましょう。

 

   美しい城 美しいひと 美しいとき 「播種の国 姫路」から!