実録、ペーパーレス会議!

 続いてペーパーレス会議に話題を進めましょう。

 ペーパーレス会議はご存じのように94年度の日本JCからスタートしました。
このような会議システムの提案は突然に思いつきで出てきたわけではなく、90年を最初に情報ネットワーク委員会から、毎年のように提案させて頂いておりました。
当時の小原会頭、才門専務理事、岡本総務室長が従来の会議システムを変更する形で決意され提唱・導入されることになるのです。

JC会館で毎年コピー用紙が何万枚使用されているのか、事業計画などを上程する際にもかなり無駄な用紙が必要になってきます。毎回50件から60件の議案を、日本全国から費用と時間をかけて集まってもらって、所定の時間で会議をしている様子を総務室の中から見てきて、こういう時代だからこそもっとネットワークを有効に活用すればいいのにと考えていました。事前に会議資料の閲覧が出来て、その上で協議することが出来れば、もっと効率的に「会議のための会議」ではなく「事業のための会議」ができると信じて疑いませんでした。

そのような流れを実現するための切り口として、一番ものが言いやすかったのがペーパーレス会議であったわけです。当時環境問題の見地からも、ペーパーレスというのは紙の使用量を減らすということで、非常に理解されやすいテーマでもありました。いわば「ペーパーレス」という方便を使いながら、インフラ整備としてネットワークを張り巡らせるために、日本JCの理事会がまず理解して利用しなくてはならないだろうと動いたのです。
上意下達になってしまいますが、「無理をしたインフラ整備」というのがペーパーレス会議の最初の第一歩であったわけです。


 このように大変強引に導入したペーパーレスなのですが、この会議を経験された方々の中には「あの時にあのような先進的な会議を経験したおかげで随分と役に立った」と言われる方が大変多いのです。冒頭で「ベーシックの生き残り確率」のお話をして笑い話になりましたが、たぶんこの場合も同じであろうと思います。このような中で無理矢理システムを与えられて、それを自分のものにしようという努力をされた方というのは、今はもう、かなりのレベルでパソコン等を使いこなしておられることでしょう。

 それはJCのまちづくりに対する姿勢でもあり、物事に対する本来のあり方であると思うのです。個人的にも組織的にも「JCとは未知のものにも前向きに取り組むべきだ」という最大前提はあるにしても、これに取り組む意識の低い人にも、周りの努力で本来の姿を見いだせるようなチャンスを与えていこうというのが、94年の情報システム委員会の目指すところであったように思います。



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