情報のデジタル化がJCにもたらす意義

 「情報のデジタル化」と一言で言ってしまうことが多いのですが、青年会議所について考えてみると、これは各地のLOMやブロックそれぞれで、見えてくるものは異なっていると感じます。それを特に一元化する必要はなく、ある程度「情報をデジタル化する意義」の根本をご理解いただいた上で、各々のアイディアを拡げていただく努力を積み重ねてもらえればいいのではないかとと思います。

LOMやブロック、そして地区も日本JCも、ほぼ同じような組織体系の中で動いています。委員会構成があり、それの集約を理事会で決定をして行動をするというのはいづれにも共通しているパターンです。つまり、情報をデジタル化するための共通項は何かといえば、それは「会議をデジタル化」することになるのです。
これをやると、会議資料を作る段階で事業計画書や事業報告書はもちろん、それについて出た意見・感想や議事録などすべてが電子化されていきます。システムの中で自然と一元化されたものをいかに活用するかというのが、それぞれのアイディアの中にあるということになるわけです。

 昨年日本JCでまちづくりデータバンクをスタートさせたのは、日本JCが各地の情報を一元化しようとした結果なのではなく、各地に点在する情報の宝物について「何が何処にあるのか」さえ日本JCが判るようにしておいて、それが各地で電子化さえされていれば、個人がたとえ何処にいたとしても、ネットワークを通じてその情報を、迅速に、的確に、正確に、得ることが出来るというイメージを想定し、その第一段階としてひとつの形に仕上げようとしたものでありました。


 例えば「褒賞アルバム」を作成することを考えてみましょう。
どこのLOMでも同じでしょうが、普通なら事務局の棚やダンボールの中や写真の山をひっくり返して、過去の事業の資料をごそごそと探し当てます、そしてなんとか集まった資料を、写真などと一緒に厚いアルバムに、のりとはさみを駆使して、切ったり貼ったりすると一応格好良く仕上がります。このように労力を要するというのは、つまり過去の情報が一目でわからない状況になっているからなのです。

これらは電子化して整理されることによって、常に理事会の事業計画や事業報告の段階で、必要なときに必要な情報が取り出せるというようにすることが可能です。ワープロで打たれたものを再度ワープロ打ちしたり、ワープロ文書をファックスで送りそれを受けた先がまたワープロで打つというような馬鹿な真似はしなくてすむのです。写真はかさ高いアルバムを並べなくても、常に目次で必要な写真を選んで張り付けられる。
またその情報を事務局から取り寄せるために、事務局でコピーをして郵送したり、実際に事務局を訪れたりすることなく、ご存じのようにインターネットなどのネットワークを使えば、いながらにして情報を入手することができるのです。日本に限ることなく、JCIの30万人のメンバーが同じものを共有できることというのは大変素晴らしいことではないかと思います。こういったことが当たり前のように行われるということが、本当の意味での事務局の省力化につながるのです。

 私たちの目的は「まちを創っていく」ことですから、自分たちが財産を持つことは単にその過程に過ぎません。どのように効率的に私たちが共有資産を持てるかということが、まちづくりの結果に大きく影響してくるとしたら、私たちはここに努力を傾けなくてはいけないのではないでしょうか。



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