それゆけ近畿地区。次世代に夢を乗せて!

 本年度近畿地区の会長として、いろいろな新しいチャレンジをさせて頂きました。

 基本的なコンセプトは、まず「JCという垣根をいかに取り払うことができるか」という点に主眼を置きました。従来からJCNETとほぼ同様な形態で、近畿地区では近畿地区NETというCUG(登録した近畿地区メンバーしか参加できないクローズト・ユーザーズ・グループ。JCNETも同じ手法で、登録したJCメンバーしか参加できない)を、独自に企画を立てて運営してきました。
しかしながら私は、青年会議所メンバーが青年会議所メンバーしかいないところでお話をしている姿というのは、あまり感心したものではないと思っていました。青年会議所メンバーは、地域に帰れば自治会の一構成メンバーであったり、PTAに参加していたり、同じ業界の組合に入っていたりと、いろいろと違った顔があると思います。ところが皆さんは、それらの場で青年会議所で培った経験を、きちんと活かしているのでしょうか。

このようなことを再度確認するために、あえて近畿地区NETという閉ざされたネットワークを、休止という言葉を使いながら閉鎖しました。私たちがそのネットワークの中で語っていたことを、JCバッチをつけていない第三者に聞いてもらったらどのように考えるかと思うと、ひょっとして「ここでこんな話をしていてはいけないんだ」と、それぞれが気づくかも知れません。
そういったひとつのテーゼになってもらえればと、これに代わってインターネットに近畿地区のホームページを開設しました。ホームページというのはあくまでもJCをPRするものなのですが、お気づきの方もあろうか思いますが、「JCとは何か」とか「JCマーク」とかいう、いわばJC臭い部分については徐々にそのボリュームを小さくしていっています。
私たちの目的は、「明るく豊かなまちを創る仲間をひとりでも多く増やす」ことにあるわけで、決してJCのPRをすることが目的ではありません。本来の姿勢とは、「JC運動をPRする」ことにあるのですいかに私たちが伝えたいことが、濃縮されて、広く伝搬するかということに常々心がけて、ホームページのメンテナンスを行っています。

 もうひとつは9月からと若干遅れましたが、PCVANの上にオープンコーナーを設置しました。これはこれまでにお話ししたように、JCバッチをつけていない人たちが、話している相手がJCかどうか判らないという状況で、互いにみんなでまちづくりについて考えられる空間を作りたいという発想から生まれています。
どのようなことがこの世の中に受け入れられて、またどのようなことが受け入れられないのかを、また常にJCの閉ざされた中で語り合っていることが、果たしていいのか悪いのかという判断を、このオープンコーナーでやっていけるような環境を作り上げたいと思っています。

PCVANは200万人にも及ぶ巨大な社会です。この模擬社会の中で、もしJCがJC運動を展開できないとしたら、100万人都市の中で青年会議所が、まちづくり運動を唱えることすら時期尚早であるという判断を下さざるを得ないでしょう。
そうではないことと信じていますから、逆に100万人都市でJC運動を展開する際にどのようなことを考慮しなくてはならないのかを、このオープンコーナーが示唆してくれるものと思います。皆さんの中で、それを膨らませて頂ければ、きっとそれぞれのJC運動の推進に役立つことでしょう。昨今バーチャルという言葉が流行っていますが、現実の時代の中でのシュミレーションとしての位置づけは、きっと今後ますます大きなものになるのではと思います。

 また、ここでお話しさせて頂いている企画と同様の狙いがあるのですが、近畿地区では年末に、従来続けていた「紙の広報誌」の発行を控えまして、今年はCDROMを各LOMはもちろん、各地の自治体全てにお配りすることとしました。
このCDROMの意味するところは「青年会議所とは何をしているところか」ということを知っていただくことはもちろんのこと、私たちメンバーが各地の事業を一元化されたものが、どこかで集約されているのではなく、発行物として提供されるものでありたいという思いがあります。またそれが、直接的に情報のデジタル化につながってくるのです。

 情報化やメディアという言葉には、特にJCの場合、他人を萎縮させてしまう効果があるので(笑)、今年はあえて、デジタル化ということをあまり意識はしないことを念頭に置きました。ただ「誰が何をしているのか」ということを、みんなが知識として常に持っていて頂きたかったし、それはできつつあるのかなと思います。
このような思いの下に、インターネットでのホームページ運営や、パソコン通信でのオープンコーナーの展開、そしてCDROMという新しいメディアを使った広報媒体が、それぞれの特色を出して近畿地区でのJC運動の拡大を支援することになると思います。

来年これらがどのような形で引き継がれるかは判りませんが、本年これを利用されたり、意識的に取り組まれたりした各地のLOMにおいて、新たに運動が生まれたり、また更に展開が進んでくれれば、本年近畿地区で行った事業の意義はあったものと考えます。つまり上記のような情報化事業の成果は、きっと来年の今頃になって振り返ってみることによって、評価されるようなものではないかなと感じます。



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