我が社の情報化戦略

 1950年代に「現代の経営」という本を書かれたピーター・F・ドラッガー博士の講演を拝聴する機会がありました。大学時代この本をテキストに講義を受けた記憶があるのですが、その時はまったく面白いとは思いませんでした(笑)。1時間あまりの講演をして頂いたのですが、年齢も90歳前になられようとするこの方が「インターネットによる情報ネットワークの重要性」を時間まるまる使って強調されるのです。
「経済構造の変革が、今全世界で起こっている。過去、経済の牽引車だったのは重厚長大で代表される巨大企業。しかしそれがエンドユーザーに実権を移りつつある。これからはより質の良い情報をたくさん集めたものが勝つ世の中になる。」と述べられていました。

この観点から言えば、小売店などはエンドユーザーに大変近い存在であるわけで、このような「直接情報と接触できる」事業形態が繁栄してくるのであろうと思います。ここでのキーポイントは「いかにエンドユーザーの情報を的確に素早く取り入れられるシステムを持つか」ということであり、ビジネスにおいては基幹産業がこの流れにシフトしていくことでしょう。
生産者や卸売業者や小売業者による「情報の獲得合戦」に勝ったものが、そのビジネスでのイニシアティブを取れるというようなことになってくるのでしょうね。


 ヒメプラは家庭用品の卸売業をやっておりますが、やはりお客様が「欲しいもの」を、「欲しい時」に、「納得できる価格」で提供できるというオンデマンド性を持つことが企業としての業績の拡大に必要であり、そのためには情報化というものは決して避けては通れないものであるわけです。
博士がおっしゃったことの中に「データをインフォメーションに」というみのがありました。例えば「POSデータ」が山ほどたくさんあったとしても、このままで意志決定ができる人はいません。もちろん「何が何本売れたか」というのは大切な情報でもあるのですが、そのまま意志決定に繋がるものではないのです。
これを「天候はどうだったか」とか「他の競合製品と比較してどうだったか」などという要素で分析することにより、解りやすいインフォメーションという形に加工することにより、始めて意志決定をする材料となり得るのです。

 おかげさまで当社でも、ハード面の情報インフラは少しずつ出来上がってきつつありますが、このようなソフトの部分を今後更に一層強化することにより、来るべき情報化社会の中で主導権を握る企業に伸ばしていきたいと考えています。



この第4回情報化セミナーについてのご感想は、kotatsu@memenet.or.jpまでお寄せ下さい。